プロフィール

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26歳素人童貞 a.k.a 素童

T179 B92(A) W73 H89

血液型B
出身地栃木
性格つらい
好きな食べ物カレー
好きな飲み物イソジン
マイブーム逆指名カードを貰いに行くこと
ファーストキスの味は?イソジン
初体験のシチュエーション小山セクシービーム
チャームポイントやくみつる似の顔
店長からのコメント
2018/11/10(土) 風俗エッセイ
『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』が発売されました。全然売れないです。
店長からのコメント
完全業界外未経験の正真正銘の素人童貞です。
『日暮里駅前クンニ塾』で100点中45点を叩き出した子です。
スケジュール
9/2(月) 9/23(火) 9/4(水) 9/5(木) 9/6(金) 9/7(土) 9/8(日)
 10:00 ~ 18:00   10:00 ~ 18:00   10:00 ~ 18:00   10:00 ~ 18:00   大久保で飲み会   母親が来る   CoCo壱 

2月19日(日) 快晴の中のビジネスホテルにて M性感嬢との対話

小林麻耶似の、笑顔の素敵なM性感嬢

 

(アナルをほじほじ、チンコをしこしこしながら)

 

嬢『ねぇ。』

 

僕『ん?』

 

嬢『彼女とかいないの?』

 

僕『いない、あっ、』

 

嬢『じゃああんま経験ないんだ?』

 

僕『うん、あっ、』

 

嬢『彼女つくんないの?』

 

僕『うん、Mだからね。』

 

嬢『え?』

 

僕『相手が気持ちよくなってるとか、どうでもいいからなぁ。あっ、ふーっ。信じられるのは俺が気持ちいいということだけ。だから彼女もできない。あっ、』

 

嬢『そんな考え方じゃ女の子がオナホじゃん!』

 

僕『それはだめだ。だから俺はM性感に来ている。倫理的だろ。』

 

嬢『確かに。』

 

僕『確かに。』

 

嬢『絶対M性感向いてるよね、どう考えてもMだもん。』

 

僕『だろ、あっ、あっ、』

 

嬢『うん。』

 

僕『あっ、』

 

嬢『また来る?』

 

僕『その可能性も否めないね。あっ、』

 

嬢『あとで私の1000円割引券あげるよ?また来る?』

 

僕『その可能性も否め、あっ、あーっ、』

 

嬢『あー、ここ弱いんでしょ!(笑)』

 

僕『よわぁっ、あっ、あっ、あーんっ、』

 

嬢『また来る?』

 

僕『その可能性も、あっ、あっ、』

 

嬢『また来る?』

 

僕『否めっ、否めっ、否っ、否っ、否っ、否っ、否っ、否っ、否ぁっ!!!』

 

嬢『すごい出たね。』

大人になった自分が子供の頃の自分の願いを叶えてあげるということ

 例えば、小学生の頃。ゲームソフトを買う時にこんなことを思っていた。

 『もし僕が大人になって稼げるようになったら、欲しいゲームを一気にたくさん買って、ずっとゲームをし続けよう!』

 それは、その時にそういう気持ちを心の中で呟きたかったというようなものではなく、もっと強烈に、未来の自分に届くように、あるいは、未来の自分に命令でもするかのように、強い気持ちで心の中で念じていた。

 小さい頃からそんなことをいろんな場面で何度も何度も繰り返してきた。おそらく、そのうちの99%は忘れてしまっている。人間の記憶なんてそんなもんだ。でも、そのわずか1%が時たま、強い念力を持って語りかけてくる。

 大学2年生の頃、ふとした瞬間に

 『もし僕が大人になって稼げるようになったら、欲しいゲームを一気にたくさん買って、ずっとゲームをし続けよう!』

 というあの頃の念力が語りかけてきた。大学1年生の頃はウィニングイレブンやスマブラなどのゲームを同じ学科の人とダラダラやっていたが、大学2年くらいの頃から、本当にゲームがつまらなく思えるようになってしまった。今までハマっていたのが何だったのか、と思えるくらいにゲームがどうでも良くなった。過去からの念力がやってきたのはそんな時だった。

 もう、今いくらゲームを買ってもやらないであろうことはわかっていた。それに一気に大量にゲームを買ったところで、1度にプレイできるのは1つのゲームだけだ。一気に大量に買う意味もない。そんなことを冷静に考えられるくらいには大人になっている。でも、過去からの念力が語りかけてくるのが気になって気になって仕方がなかった。昔の自分の願いを叶えてあげるために、下宿先の近くのゲオに足を運び大量にプレステ3のゲームを買い込んだ。

 家に帰って買い込んだゲームを広げ、さっそくプレイをした。自室に大量のゲームを広げた時は少し誇らしい気持ちもあったが、実際にプレイをしてみると案の定、楽しめない。たくさん買い込んだのにも関わらず、1つのゲームも最後までクリアすることすらできないくらい、ゲームをやりたいという気持ちがなくなっていた。買い込んだゲームはしばらくして処分した。

 もう自分を取り巻く状況も、自分の考えも、昔とは変わってしまっているのに、あの頃の念力だけが純粋培養されたまま、自分の中に残っているということがある。

 おっぱいもその1つだ。小学校高学年から高校生の頃まで、ずっと、女の人のおっぱいを舐めると幸せになれると思っていた。だって、AVの中の人やエッチな漫画の中の人はみんな貪りつくようにおっぱいを舐めるから。行列ができているお店は行列ができているというだけで美味しいお店だと思えてしまうように、あまりにもおっぱいがたくさんの人に舐められているもんだから、おっぱいはそれだけ、舐めると幸せな思いになれるものに違いない、と思っていた。本気で思っていた。

 実際に女の子のおっぱいを初めて舐めた時

『皮膚だ!』

と思った。おっぱいが皮膚だということに驚いた。本来なら、おっぱいが皮膚だということに頭が回っていない自分について驚くべきところだと思うのだが、やはりおっぱいが皮膚だということは驚きに満ち満ちていた。

 大学生の頃から風俗に通い、何度も何度も女の人のおっぱいを見ては、とりあえず舐める。自動化されたbotのように、とりあえず舐める。自分がそれを本当に望んでいるか望んでいないかを不問にして、とりあえず舐める。その度に『やっぱ皮膚だよなぁ』と、小さな落胆を繰り返す。それでも、おっぱいがその姿を顕にする度に、毎回毎回、新鮮な驚きがある。『あ、おっぱいだっ!』という驚きがある。ちんこはピクッ、と反応する。

 もう自分を取り巻く状況も、自分の考えも、昔とは変わってしまっているのに、あの頃の念力だけが純粋培養されたまま、自分の中に残っているということがある。

 おっぱいに関して言えば、それは思春期の頃の僕の念力なのか、それとも、おっぱいが顕になる度にピクッ、と反応するちんこの念力なのか、渾然としている。いや、何でもちんこに責任を擦り付けるのはよくない。ちんこにまんこを擦り付ける素股は最高に素晴らしいが、責任をなすりつけてはダメだ。ちんこにも現在と過去の位相があると考えることができる。もしかしたら今のちんこは、過去のちんこからの念力によってピクッ、と反応しているのかもしれない。現在のちんこも、過去のちんこと闘っているのだ。

 ゲームの大量購入は、一度だけ叶えてあげたら過去からの念力は消えたが、おっぱいに関しては未だ留まるところを知らない。

 それでも昔の自分の、あるいは昔のちんこの、純粋培養された念力の願いを、できるだけ叶えていってあげたいと思う。

 

 

 

 

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就活について② 就活始めたら風俗嬢に顔面舐められてた

 今年の2月、大学院受験料の振込に失敗し、次の年度からの身分が無くなることが確定した。僕はすぐさま実家のある静岡に帰った。
 しばらくは親のスネをかじって生きていこうと思った。今の親の世代が若かった頃は高度経済成長で日本経済は右肩上がり。僕の親はもう60を超えているから、年金もしっかり貰っている。一方で今の若者は賃金が低く、払った年金もおそらく貰えない。僕はそんな世代間格差を解消したいと思った。そして自分のできる範囲で行動した。つまり親のスネをかじった。大学で学んだ社会の知識を、実生活でさっそく活かした。まさに自分の足元から、社会における格差解消のために、親のスネをかじったのだ。

 そんな冗談はさておき、やはり社会のメインストリートから外れたところに来てしまったという不安があったのだろう、10万円で購入したiPad Pro の裏側に『素人童貞』という刻印をアップル社に頼んだのはまさにこの時であった。

 しばらくは図書館に通って好き勝手に本を読む優雅な生活が続いた。しかし、田舎は居心地が悪かった。朝7時頃に起きると、近所のおばさん達のヒソヒソ話が窓の外から聞こえてくる。

 

ばばA『あれっ、○○さんの息子さんって今なにしてるの?』

ばばB『あっ、今働いてないらしいよ(小声)』

ばばA『あらっ、ゴニョゴニョゴニョゴニョ(聞き取れないレベルの小声)』

 

 そう、僕の話だ。僕が無職とわかった途端に、おしゃべりの声は小さくなる。気を遣われるのが辛かった。

 実家に寄生してから、大学時代に購入した専門書をAmazonで売って小金を稼いでいたので、発送のためによく郵便局に足を運んだ。そこには小学校の頃の同級生の母親が働いていた。何か振込をしようと銀行に行けば、中学生の頃の同級生が働いていた。どこにいっても何をしても古くからの知り合いがいるし、自分が何をしているのか、ご近所さんネットワークにより情報も筒抜けだ。それに僕は中学の頃にいじめられて友達がいなかった。中学で僕をいじめてきたマイルドヤンキー共は地元でウェイウェイしているので、いつ遭遇してもおかしくない。いじめられていたのが中学時代というのも災難なもんだ。実家の徒歩圏内にかつてのいじめっ子達が生息しているのだから。だから必要以上に外には出なかったし、コンビニもなるべく真夜中に利用した。まさか24歳にもなってこんな思いをしなければいけないとは、中学生の頃の僕は予想だにしていなかった。就職をしたいというよりかは、息苦しい地元から一刻も早く離れたいという気持ちで就活を始めることにした。動き出したのは10月だった。

 僕は大学受験で一浪しているし、大学4年の頃には就活もしなかった。就活のために動き出したのも今年の10月の終わり頃で、謎の空白期間もできてしまった。おまけに大学では哲学やら倫理学やらを勉強してしまったので何のスキルもなく、就活における無能さが果てしなかった。

 無駄な苦労はしたくなかったので新卒市場は初めから諦め、とりあえず、関東圏で第二新卒既卒の人のための就活を支援しているサイトに登録し、2週間後にその会社のオフィスを訪問した。静岡から鈍行列車で片道3時間半。午前10時にオフィスに到着すると、若くて綺麗な女性が、担当のアドバイザーと面談するための席に案内してくれた。僕は案内された席に腰掛けた。初回利用の人にはアンケート記入をお願いしているらしく、女性は立ち上がったまま、座っている僕の目の前にアンケート用紙を置いた。その時、前かがみになった女性の胸元が視界に入ってきた。女性のソレは、かなりガッツリ見えていた。おそらくDだ。予想外、それはあまりに予想外な出来事であった。大学を卒業し、実家に寄生していた半年間、僕は風俗に行っていなかったのに、歯車が狂い出した。今日の午後、僕は風俗に行くことになるだろう。そんな予感がした。

 アンケートを記入し女性に手渡すと、担当アドバイザーの男性の方が来た。希望の職種などを聞かれたので、あらかじめサイトでチェックしておいた企業のリストを伝えると、

 

「ふふふ、これらはね、男性は無理だよ(苦笑」

 

 僕が希望していたのは「女性も活躍する職場です!」という宣伝が入っている事務職ばかりだった。僕もそんな職場で活躍したかったし、日頃から風俗嬢の唾液を摂取していたので、体内環境的にはほぼ女性の可能性もワンチャンあると思ったのだが、担当アドバイザーの話によれば、「女性も活躍する職場です!」というのは「女性しか採用しません」という就活界の暗黙のルールであるらしかった。特に就活の相談もする友人もいなかったので、そんな暗黙のルールがあることすら知らなかった。

 10分間くらい、これまでの経歴や理想の職種や職場環境などを聞かれたので、デスクワークで事務職みたいなのがいいなぁと伝えたら、担当アドバイザーがIT企業を7つくらい紹介してきた。まぁ、IT企業は人材不足だし、第二新卒既卒でも採用してくれるといったら、中小IT企業くらいですわな。ということで、全くパソコンやITのことはわからないけど、IT企業を受けることにした。ちなみに、この日の午後には、今まさに相談を聞いてもらっている、第二新卒既卒の就活支援をしている企業の採用試験も受ける予定だった。「第二新卒既卒だからといって無能なわけではない」「努力しているのに巡りあわせが悪かっただけの人も多い」ということで、第二新卒既卒の就活支援を行っていて、半分営利で半分人助けみたいな感じがいいなぁと思ったからだ。

 とりあえず紹介してもらったIT企業の説明を受け、今後の就活の予定を一緒に考えた。午前中2時間ほどで相談は終わり、午後の採用試験までに時間があった。「では、午後の採用試験も頑張ってください」と担当アドバイザーからエールを貰い、お昼を買いに外に出た。外に出ると僕はすぐに携帯電話を取り、先ほどの担当アドバイザーから貰った名刺を見ながら電話をかけた。

 

わし「もしもし、お世話になっております。先ほどまで相談をさせていただいた○○です。本日はどうもありがとうございました。」

担当「おっ、○○さん!いえいえ。どうしました?」

わし「少し考えまして、本日提案していただいたIT企業の中から受けようと決めましたので、午後の御社の採用試験をキャンセルさせて頂いてよろしいでしょうか。」

 

 あの時の予感が的中した。僕のちんこは午後の予定を空け、風俗に行こうとし出したのだ。Dのおっぱいに狂わされた歯車は、もう元には戻らなくなっていた。

 僕は走った。いや、正確に言うならば、ちんこが僕を走らせた。無職でお金もなく、この日は東京までの交通費もかかってしまっている。経済性を考え、荻窪の某ピンクサロンへ向かった。

 お店に到着し、店頭パネルを確認する。1人だけパネル写真のない女の子がいた。このパネル写真のない女の子は確か、プロフィールに西野カナ似、テクニック抜群、男の人が気持ちよくなるのを見るのが好き、できるだけ要望を聞きます」というような文言が並んでいる子だった。「男の人が気持ちよくなるのを見るのが好き」という言葉が出てくる女の子は、ちょいMな僕にとって、経験的にハズレがない。これは風俗に通って初めて信じることができたことだが、男の人が気持ちよくなるのを見るのが好きで好きで仕方のない女の子というのが、世界には本当に存在するのだ。そしてそういう性格の女の子以外の口からは「男の人が気持ちよくなるのを見るのが好き」なんて具体的なフレーズは決して出てこない。奴らは「エッチ度満点です☆」「イチャイチャしましょ☆」「一生懸命頑張ります☆」とか適当なことをプロフィール上でほざくくらいしかできないのだ。そんな偏見があったので、パネル写真が無いことを気にせずに自信を持って指名。待ち時間もなくすぐに案内された。

 西野カナ似というのはほとんど悪ふざけにしか思えないくらいに西野カナに似ていない、町田のキャバクラにでもいそうな生活感の漂ったギャルメイク風の、おとなしそうな女の子が現れた。似ていないけどカナちゃん(仮名)と呼ぼう。ルックスはあまり好みではなかったけど、「男の人が気持ちよくなるのを見るのが好き」ということだけあって、最初から濃厚なプレイだった。もっと言えば、男の人を気持ちよくしてコントロール下に置いてやりたいという、男の人を心の底では憎悪している女性が抱きそうな表情が見え隠れするような濃厚プレイだった。これは間違いなく顔面舐めフェーズに突入できると思った。あまりに強い確信があったので、キスの最中に「ねぇ、顔舐めて」とストレートに伝えた。ピンクサロンのようなライトサービスのお店では基本的に顔面舐めのようなサービスはない。しかし、カナちゃんはまるで顔面を舐めるのが当然であるかのように、一切の躊躇なく顔面を舐め始めた。少し酸味のある唾液が僕の顔を汚した。その唾液の臭さは、まさにこの時の僕が感じていた人生の苦渋に似通った臭さだった。泣いた。僕は顔面を舐められながら泣いた。地元では押し殺さなければならない感情や、就活への不安が湧いてきた。しかし誤解して欲しくないのは、別に僕は悲しいから泣いたのでは無いということだ。僕は自分の悲しさや不安を風俗嬢に受け止めてもらいたいから風俗に行くようなヤワな人間では無い。悲しいから泣いたなどと捉えてしまうと、顔面舐めの本質を見誤る。僕は悲しいから泣いたのではなく、泣いたから悲しくなったのだ。

 人は楽しい時に笑い、悲しい時に泣く。そう思われている。しかしそれは事の半面に過ぎず、笑うから楽しくなり、泣くから悲しくなるという半面もまたある。多くの接客業が取り入れているように、朝礼で笑顔を作る習慣をつけるだけで、人は本当に自分が楽しいように思えてくるものだ。もっと身近な例を挙げれば、自分でもよくわからない理由でふとした瞬間に涙を流した時、初めは本当に大したことなどなかったのに、だんだんと過去の辛い記憶が走馬灯のように呼び出され、涙が止まらなくなってしまうことがある。人は笑うから楽しくなり、泣くから悲しくなるのだ。

 顔面を舐められるということは、ある種の<泣く>である。顔面舐めをされる時のことを考えてみるといい。目に唾液が入らないように、目をきつく閉じ、それに連動するように、口元が軽く引き締まる。そして顔面を舐められる。カナちゃんは唾液の量が多く、遠慮せずに顔面舐めをしてくれた。僕の頬には、一筋の唾液がこぼれ落ちる。目を閉じ、口元を軽く引き締めた僕の頬に、一筋の唾液。それはもはや、涙である。僕は、まず泣いたのだ。そして辛い記憶や不安が呼び起こされ、悲しくなった。顔面舐めの気持ちよさは被虐感だ、と以前述べたが、それは端的に、顔面舐めが<泣く>を引き起こすからとも言えるかもしれない。

 顔面舐めで沸き起こる不安も一期一会である。24歳で実家に寄生していることの情けなさ、地元の居心地の悪さや就活への不安、それらは都内で就職した今となっては、いくら顔面を舐められようが得られないものになってしまった。幾重にも重なる辛さを感じていたこの時期の、この顔面舐めは、忘れられないものになっている。

 

 

shirotodotei.hatenablog.com

意図せずして雑に扱われ勃起

 確か昨年の9月。まだ職もなく、ほとんど就労意欲もなかった頃。

 代々木のNHKホールにて、某女性ミュージシャンのライブの鑑賞を終え、その足で池袋の某風俗店に。そこは学園系のお店で女の子は制服姿。人気があった女の子が偶然にも出勤していたので、ライブの熱も冷めやらない内にその子を勢いのまま指名。安田美沙子似で有名だったので美沙子ちゃん(仮名)と呼ぼう。人気の女の子だけあって美沙子ちゃんは2時間待ちであったが、どうせ後はネットカフェで泊まるくらいしか予定がなかったので、待つことに。

 職もなく身分の卑しい人間だったので、2時間を過ごす場所に困った。できればお金がかからなくてwi-fiが飛んでいるところに行きたい。静かなら尚更良い。そう考えながら池袋の街を散策していると、都会の中のオアシスのような場所が突然現れた。どうやら『南池袋公園』と言うらしい。




 2016年の4月に開放されたばかりのピカピカの公園。カフェが併設され、市民の憩いの場になっている。『市民の憩いの場』なんていうのは行政が好みそうな儀礼的な文句に思われるかもしれないが、この公園、綺麗な芝生に自由に寝そべることができて居心地が最高に良いので、マジで市民がうじゃうじゃ居た。

 そしてそして、私がこの公園に到着したのは夜の7時頃。カフェの併設された綺麗な公園の夜となれば、どんな光景になるか想像がつくだろう。童貞脳を拗らせている方なら、1秒もしない内に思い浮かべたくなくとも思い浮かんだはずだ。



 もうね、カップルばっかりよ。寝そべってイチャイチャしてるカップルが夜の南池袋公園にはいっぱいいるんですわ。キスはしてるわ、ケツを触ってるわ、本当に猿ですわ。女の子とイチャイチャするためにまずはボーイさんにお金を払うところから始めるという、知能が高度に発達した人間にしか不可能な行動を取る素人童貞とは違って、イチャイチャが止められないんだ。この猿たちは。

 なーんて、童貞脳っぽい煽り方をしてみたが、私は素人童貞脳の持ち主だから、そんなことは思っていない。拗らせた童貞脳はカップルを見たら嫉妬や憎悪を抱くしかないかもしれないが、これから風俗に行く私にとっては、カップルのイチャイチャは充電の場なのだ。カップルのいちゃいちゃを見て童貞が心に嫉妬を抱くのだとしたら、素人童貞の私は睾丸に性欲を抱くのだ!

 そんなこんなで2時間、横目でイチャイチャするカップルを眺めながら、これから風俗店で発射する性欲を睾丸に充電し、いざ風俗店へ。

 現れたのは安田美沙子よりも色白でさっぱりとした感じの美人さん。20歳くらいだろうか。さすが人気のある女の子だけあって、コミュニケーションしやすいし、人当たりもいい子だった。もちろんサービスも良い。でも、学園系で素人っぽい女の子というコンセプトのお店だったので、サービスが良いと言っても、顔面舐めをしてくれるレベルかは未知数だ。

 美沙子ちゃんはキスをすると何故かレモンの味がした。マウスウォッシュのレモン風味とかそんなヤワな話じゃなくて、キスしたらこっちが思わず『すっぺぇ~』って顔を歪ませてしまうくらに本格的なレモンの味がした。あれは何だったのだろう。。。まぁでもしばらくすれば慣れたし、なにより色白で綺麗な女の子だったので、顔面舐めをされたいと思った。いや、『顔面舐めをされなければならない』という使命感のようなものが降り注いできたと言っても過言ではない。嘘。過言です。

 さぁ、顔面舐めをされたいと思ってからが勝負どころだ。

『キス好きなんですー、キスいっぱいしてくださーい!』

 と、サザエさんのタラちゃんのように頼み、様子を伺う。さすがサービスのいい女の子だけあって嫌な顔一つせず笑顔で受け入れてくれた。キスも濃厚だ。そこですかさず次の一手。

『ねぇ、鼻舐めれるー?』

 『えー、鼻ー?君、変態だなぁ。。。』

 と言いながら、軽く鼻の先を1ペロ、2ペロしてくれた。レモンの香りがした。鼻を舐められたことよりも、美沙子ちゃんの

 『君、変態だなぁ。。。』

という言葉のチョイスと言い方が良かった。年下の女の子に『君、』と言われるのもグッとくるものがあったし、声も安田美沙子に似た濁りのない高く澄んだ声で、そんな声で『変態だなぁ。。。』と、呆れつつも若干ポップな感じで言ってくれたのが最高に良かった。

 しかし、頼んだ後の反応にしても、舐め具合にしても、顔面舐めまでは頼まない方がいいだろうと思い、諦めた。こっからは普通の範囲のプレイをしようと決めた。

 気を取り直し、キスを再開した時に、それは起こった。キスをする時に鼻と鼻の先が触れた瞬間、


『ちょっ、まっ!』

と、美沙子ちゃんが急に野太い声をあげ、その勢いのまま右手で私の顔を押しつぶした。その後すかさず

『ちょっと~、濡れてる~っ!』

 と、まるで野太い声など存在しなかったかのように、元の高く澄んだ声でそう指摘してきた。どうやらキスをして鼻と鼻が当たった際に、私が鼻を舐めてもらった時に付着した唾液が、そのまま美沙子ちゃんの鼻についてしまったようだ。自分の唾液が自分につくことがそんなに嫌なのかぁ、自分の唾液が汚いと思う人もいるからなぁ、などと一瞬のうちに色々考えたが、それよりなにより、


『ちょっ、まっ!』

という、突如現れた野太い声と、片手で顔を押しつぶされたことに対し、私のちんこは激しく勃起していた。

僕は手をかざした。すると、風俗嬢はイッた。

 風俗嬢という職業は膣を酷使する仕事だ。

 ただでさえ1日に数人と性行為をするだけでも大変そうなのだが、どうやら風俗に来るお客さんの中にはAVのようなガシマン好きな人も多いようで、いかにガシマンを回避するか、という能力が風俗嬢には求められてしまっている。

 かくいう僕もエロ動画くらいでしか性行為を見たことが無かったので、初めて風俗に行った時には、自分では気付いていなかったがガシマンだったようだ。風俗初体験で潜入した五反田の某風俗店の新人さんから、

「ちょっと…、ごめんね。」

と手マン中の手に優しく手を添えられ、暗黙の拒絶をされた。ちなみにその後には

「あなたのキスは優しすぎるわ…」

と、風俗経験を積んだ今から考えてみても、どんな風俗嬢よりもロマンチックな仕方でキスを拒絶された。

 

 やはり風俗嬢の中でも試行錯誤をしているらしく、様々な拒絶の仕方がある。中でも個人的に一番いいなと思うのは、

「ごめんね、前のお客さんが乱暴でちょっと痛くなっちゃったから、優しく触ってほしいの」

という言葉。

 何かする前に先にこんなことを言われてしまっては、優しくするしかないし、何より、前のお客さんに傷付けられた分、僕がこの女性を守ってあげなければならぬっ!という気合いも入る。そんでもってプレイ終わりに

「優しくしてくれてありがとう!おかげで気持ちよかったよ!」

なんて笑顔で言ってもらえれば、その女性についた風俗客カーストの中で上位ランクに位置づけられたような感じで気分も悪くない。僕のように他の男に対抗意識を燃やしているような人間にとっては尚更効果てきめんだ。気付かぬうちに手マンリテラシーも身につくし、win-winでしかない。本当であろうが嘘であろうが、

「ごめんね、前のお客さんが乱暴でちょっと痛くなっちゃったから、優しく触ってほしいの」

と言っておくのはかなり使えると思う。 

 

 なんてことをつらつらと書いてみたが、この話に関係あるような、ないような出来事がこの前起こった。

 

 池袋の某風俗店での話。

 店頭パネルの写真が可愛かったランキング3位くらいの女の子を指名。学園系のお店にしては珍しく、The・水商売という感じの、茶髪のワンレン、腕にタトゥー、酒やけの声のふくよかな愛嬌抜群の女性が出て来た。始めにこちらの名前を聞かれ、

「山〇です」

と答えると、

「うふっ、山ちゃぁ~んっ」

という感じのノリで強めに抱きつかれ、そのまま獣のようなキスをしてくるくらいに、濃厚なサービスをしてくれる女性だった。プレイの合間合間にもしっかりとコミュニケーションを取ってくれ、雰囲気を作るのがうまく、こちらもノリノリでプレイ。お互いに全裸になり、僕がその女性の脚を広げ、膣に手を伸ばしかけた時、それは起こった。

 

 

「はぁ~~~、んっ、あぁぁぁっ、あぁぁぁあああああ!山ちゃ~~~んっ!!!」 

 

 

 その女性は目を瞑ったまま上を向き、口は半開き、荒い息遣いと共に僕の名前を呼び、座礁した。僕の手はまだ一切膣に触れていない。まだ50㎝は離れている。しかし、彼女は紛れもなくイッたのだ!僕はその光景に驚き、思わず手をひっこめた。そして、何事もなかったかのように、次の瞬間には彼女の濃厚なフェラチオを受けていた。

 

 結構前の話だが、『マツコ&有吉の怒り新党』という番組の中で、こんな話があった。「コンビニでTポイントカードを持ってますか?と毎回聞かれることに怒っています。何かいい方法はありませんか?」という視聴者からのお怒りメールに対して、有吉が「俺もめんどくさいなぁと思って嫌だったけど、最近、解決法を見つけたよ。言われる前にTポイントカードを出しちゃう!」という、まさにトンチのような解答をしていた。

 

 この話になぞらえるのならば、私が手をかざしただけでイッたあの女性は

『どうしても客がイカせようとするならば、先にイッてしまえばいい!』

という技術を身につけていたのかもしれない。現に私は、すぐに手を引っ込めてしまったのだ! 

 いや、あまりに穿った見方をしすぎだろうか。実際に手をかざしただけでイッた可能性も否めない。

 

とりあえず言えることは、

僕は手をかざした。すると、風俗嬢はイッた。

それだけである。