Neighborly Love Hotel.

 Neighborly Love Hotel.

 

 自分で考えておいて、最近すごく気に入っている。仕事の昼休み、お弁当を買いに行くときに気づけば呟いてしまっている。

 

 Neighborly Love Hotel.

 

 風俗店は、最近では派遣型のデリバリーヘルスが主流だ。というか、東京で風俗に行くとなれば、ソープにでも行かなければデリバリーがほとんどだろう。もう、店舗を構えた風俗店なんて少数派。だから、風俗客は女の子と遊ぶ時は、ラブホテルを押さえておかなければならない。バブルの頃は、車を出してくれる都合の良い男の人のことを「アッシー」、飯を奢ってくれる都合の良い男の人を「メッシー」なんて言ったらしいが、ラブホテルを取ってあげる風俗客は「ラッシー」だ。これからは俺のことを「ラッシー」って呼んでくれよ。

 風俗に通っていると麻痺してくるが、よくよく考えてみると風俗客は凄いと思う。女の子のプロフィールや写真を事前にチェックしているとはいえ、どんな女の子が来るのかはわからないのだ。あまり同じ女の子を指名しない僕からしたら、毎日がデンジャラス。赤の他人のためにラブホテルを押さえて待っておく。なんて凄いことだろう。

 

 Neighborly Love Hotel.

 

 〝Neighborly Love〟というのは「隣人愛」という意味だ。旧約聖書に「あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない」と、イエス・キリストが言ったと書いてある。

 

 1か月前、大変なことがあった。池袋で名を馳せている某高級マッサージ店の女の子を呼んだんだ。その時、僕は池袋ホテルスマイルというラブホテルを取っておいた。

 

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 なんて安易な名前のホテルなんだろう。繁華街から少し離れたところにあるホテルで、人目につかないので利用できるのがいい。その分、周りには変な人がいる。僕がホテルに向かう途中、他のホテルからダッシュでおじさんが出てきて、その後ろから若いお兄さんがこれまたダッシュで出てきて「この人フーゾクのお金払ってくれないんですけどー」って大声を出しながらお兄さんがおじさんを追いかけ回してた。どんなシチュエーションやねん。

 そんなことはともかく、ホテルスマイルは値段も安い。そこら辺のレンタルルームとは違い、部屋も綺麗でベッドもまぁまぁフカフカで、設備もそこそこしっかりしているのに、90分2500円だ。コスパは最高だ。そんなコスパがいいところだから、もちろん混む。僕が1か月前に利用しに行った時には、既に3人の男の人が椅子に座って待っていた。僕は受付の人に30分待ちを言い渡され、4つめの椅子に座った。

 

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 ホテルスマイルは、自動ドアを開けた瞬間にこの光景が広がる。少しわかりにくいと思うけど、画像の一番右端に映っている白いところが受付だ。最後に椅子に座った僕を含め、待っている人4人が全員ソロの男。この意味がわかるだろうか?おそらく全員、風俗客ということだ。ここのホテルはカップルも普通に使用しており、他の日にはカップルが椅子に座って待っていることもあるのだが、この日は4人ともソロの男。風俗客ビンゴの達成だ。

 そこで並びながらしばらく待っていると、ブイィーーンッって自動ドアが開いて、細マッチョで茶髪のEXILE風のお兄さんと、金髪でメイクの濃い西野カナを少し悪くした感じのギャルのカップルが来たのだけど、自動ドアが開いてコンマ1秒、金髪ギャルが

ハッ!?!?!?!?キモッ!!!!!!!

って言葉だけ残してすぐさま去っていったんだ。。。そんな暴言だけ吐かれて残された4人のおじさんの気持ちが誰にわかりましょう。他人なので慰め合いもできないし、もう何事もなかったかのようにひたすらiPadを眺め続けるしかなかったですよ。

 こんな受難を抱えながらも、まだ見たこともない女の子のためにラブホテルの部屋を押さえておく。

 

 Neighborly Love Hotel.

 

 もしかしたら、この記事を読んでいる人は、EXILE風の男とギャルのカップルの方が正しく健全で、風俗客の方が何か間違っていて気持ち悪いと思っているかもしれない。しかし、どうだろうか。カップルという、ほとんど身内である人と愛するためにラブホテルを使おうとする者と、まだ見ぬ女の子のためにラブホテルの部屋を押さえておく風俗客、イエスの説いた隣人愛の実践を行っているのはどちらだろうか。

 

 Neighborly Love Hotel.

  

 そんな受難を乗り越えてホテルの部屋を取ったのに、更に報われないことが起こる。某高級マッサージ店から来た女の子は、韓国女優のパク・シネに似ている、とても色白でスタイルが良くて清純そうで綺麗な女の子だったのだけど、一緒にお風呂に入っている時に、真剣な顔でこんなことを言ってきた。

 

ねぇ、ここ来る時にさ、受付のところで男の人ばかりが椅子に座って待ってたんだけど、あそこ通るの嫌だったよ~。お兄さんが来た時もいた?なんかあれ、怖くない?

 

 おい。「お兄さんが来た時もいた?」じゃないよ。お兄さんはさっきまでその気持ち悪い集団の構成員の一翼を担ってたんだよ。

 プレイが終わって一緒にホテルを出る時も

 

 「いや~~~っ。また帰る時もいたらどうしよう。いないでくれ~!いないでくれ~!

 

 と、願い祈る女の子と一緒に歩き、結局その日の帰りは1人も椅子に座っている人はいなかった。すごい満面の笑みだったなー、あの子。

 このように、隣人愛というのは必ずしも快く受け入れられるものではない。しかし、例え自分の愛が根底から覆されようと、それをやめてはならない。なぜなら、隣人愛というのは、原理的にそのような性質のものだからだ。自分の愛を根底から覆してくる者、それこそが他者であり、隣人なのだ。そのような者に対しても、我々は挫けずにラブホテルを押さえ続けなければならない。愛を持って。

 

 Neighborly Love Hotel.

 

 この事件があってから1週間後、今度は池袋の某デリヘルを利用した。また初めての女の子だ。だからどんな子がくるのかわからない。それでもラブホテルを予約した。24歳素人童貞にしては珍しく、90分5500円という少し高めのホテルを取っておいたんだ。24歳素人童貞は「ホテルに5500円もかけるならその分1回ピンサロに行くよ」と言いたくなるお年頃だから、これはデカい出費だ。その日来た女の子は、若き日のスレンダーな宮崎あおいに似ているパネル写真とは全く違って、芸人のガリットチュウに似てる太っている子が来た。部屋に入るなり「ちょっとトイレ行っていい?」って一言目からそっけない態度で言われ、その子はうんこをし始めた。スカトロ店でもないのに。せめて水を流す音でうんちのブリブリ音は消してくれよ!

 もちろん、そんな態度の女の子のサービスが良いはずもない。無料オプションを頼んだら「それ、有料だよ」と軽く嘘をつかれ、「もう時間だ」と言って、20分以上の時間を残して勝手にお店に電話をしてその子は帰っていった。今までのデリヘルで一番最悪な気分だったと言っても過言ではない。

 

 そんなことがあっても、まだ見ぬ女の子のためにラブホテルを取り続けるよ。

 

 Neighborly Love Hotel.

 

 Neighborly Love Hotel.

 

 Neighborly Love Hotel.