お金がなく風俗に行けないので初めて
ピンクサロンに行った時の思い出に浸ろう。あれはもう5年くらい前の、大学1年生の頃のお話。確か20歳になる直前くらいで、成人式を目前にしていた季節。中学の頃にいじめられたまま卒業したので地元の成人式なんぞにはもちろん行くことはできない。中学の頃って、いじめっ子といじめられっ子がグルグルグル目まぐるしく交代していったんだけど、吾輩は中学3年生の頃にいじめられっ子の側に回ってしまい、そのまま卒業。タイミングが悪いよね。卒業の時点でいじめられっ子だった人だけ、卒業後も永遠にいじめられっ子のままなんだよ。そんなわけで成人式に行けず、心のどこかで
通過儀礼を求めていたのだろう、僕は20歳になる直前に風俗へ行こうと決めた。
お金のない大学生だったので、高級店はもちろん、総額2万円くらいのミドルクラスのお店なども最初から考慮することもない。それに、とりあえず大人の階段を上りたかっただけなので、風俗店の業態なんぞ何でもよかった。その時の財布の中身と相談し、安くてサービスの良い
ピンクサロン(以下ピンサロ)に行くことに決めた。ネットでピンサロのことを調べ、五反田の某店に行くこと決定。
五反田に決めたのは単純な理由だ。ネットで少し調べると、五反田は
性風俗の盛んなエロい街であるらしかった。今からしてみれば、
コスパを求めるならば池袋のピンサロを利用すれば良かった。池袋はピンサロに限らず、可愛い女の子がいるのに安い店が多いからだ。その理由はとても簡単で、池袋で働く女の子は大抵、埼玉から来ている女の子だからだ。埼玉産の女の子は安いのだ。そんなことを知らない19歳の僕は、大人のエロい街!という単純な理由で五反田の某店を選んだ。
友達や先輩に連れて行ってもらえればよかったものの、友達も先輩もいなかったので、単身で出発。一体いつまで友達がいない人生なんだ。大学の講義が終わって最寄駅から電車でおよそ30分、五反田に到着した。
iPhoneのマップを辿りながら、お店の場所についた。
お店の前には明るい電光看板が置いてあり、入口を見るとすぐに下に降りていく階段が広がっていた。その電光看板と階段を横目で見ながら、僕はお店の前を行ったり来たりした。なかなか入る勇気が出なかったのだ。
もしかしたらぼったくられたりするんじゃないかなぁ…。
普通に大手優良店を選択したので、今から考えるとそんなことはあり得ないわけだが、未知なるものに対する偏見は止まらなかった。しかし、意を決さなければならない時は必ず来る。4回ほど入口付近を往復したところで、お店に入った。
眼下には地下へと続く階段。螺旋式で先が見えない。下った先はどうなっているんだ…。もうすぐ20歳の僕は、大人の階段を下った。
階段を下った先には、背の高い
EXILE風のボーイさんと、きらびやかに光る電光掲示板があった。電光掲示板には、目が隠された女の子の写真がずらりと並んでいた。ホームページで指名する気だった、色白の女の子をすかさず指名。
男『2時間待ちですね』
今から思えば2時間待ちなんて普通のことだが、あまりに長い時間に感じ、ビビッてしまった。
我『この女の子なら人気ですし今なら10分待ちでおすすめです!』
男『それじゃあその子でお願いします』
終わった…、と思った。ボーイさんとの恐ろしいやりとりを早く終わらせたいがために、言われるがままに指名してしまった。昨日までホームページを精査していた時間はなんだったんだ…。
爪が伸びていないかの確認され、番号のついた札をもらい、待機室で10分ほど待った。初体験の不安と、指名がうまくいかなかったことの悲しさでどんよりした気分に浸っていると、ボーイさんから番号が呼ばれた。
ボーイさんにプレイルームへと案内された。
ピンクサロンは大抵、このように遮蔽の低いシートが並んでいる。
共産主義社会において国家運営の射精産業が展開されるとしたらこのようになるだろう、という感じの非常に効率化、画一化された空間だ。左右に広がるシートの間の一本道を、席まで案内してくれるボーイさんの後ろをついて歩いて行った。
もちろん、この時に他のお客さんのプレイの様子を横目でチラチラ覗く。ピンサロは短時間で効率的な味気の無い業態のように思えるけど、傍から他の人のプレイをたくさん覗ける空間は結構なアングラ感。僕は席に案内されるまでのほんの数秒の間、周囲を覗くことで
ピンクサロンの暗黙の掟を理解しようと思った。郷に入っては郷に従えということだ。
既に女の子とプレイをしているお客さんばかりだったが、一人だけ、孤独に待機しているおじさんを見つけた!
どうやらおじさんは真っ裸で、勃起したちんこに白い布を被せて待機しているようだった。OK,got it!僕は
ピンクサロンの暗黙の〝掟〟をすぐに理解した。昔からその場の暗黙の掟を察する力には自信があった。
ボーイさんに案内されたシートに座り、先輩であるおじさんに習って服を脱ぎ始めた。途中でボーイさんが注意事項を説明しに来たが、僕はカラオケで店員が来ても歌い続けるタイプなので、かまわず服を脱ぎ続けた。
そいえば、おじさんがちんこの上に被せていた白い布は何だったのだろう...?
服を全て脱いだ時、そのような疑問が浮かばなかったわけではないが、答えはパンツ一択しかなかった。例のおじさんに習って、パンツを4つ折りにして、ちんこに被せて女の子を待った。僕のパンツの色は灰色だった。
万全の態勢で待っていると、制服姿の女の子が登場!すごい!!!黒髪清純派の可愛い女の子が本当に来た!しかも何やら怪訝な表情をしている!大量のおしぼりの入った籠とウーロン茶の入ったコップを持った女の子から、とりあえずウーロン茶を受け取る。ゴキブリにお茶でも渡すかのように恐る恐る渡してきた!
嬢『初めまして。〇〇と言います。』
我『あっ、初めまして。〇〇と言います。』
嬢『こういうお店よく来るんですか?』
我『いえ、初めてです。いろいろと教えてください。』
嬢『そうなんですね。どうして初めてでそんな恰好しているんですか?』
我『お、おじさんが。。さっきあそこのおじさんが脱いで待ってたから、そういうもんだと思って』
突然、女の子の表情が安心したものに変わり、もうそれからは女の子の笑いが止まらなくなってしまった。どうやらこのお店には15分で女の子を交代させる〝花びら大回転〟というサービスがあるらしく、あのおじさんはそのサービスを利用していて、2人目の女の子を待っているのであるらしかった。1人目のサービスが終わったら、おしぼりで股間だけ隠して2人目の女の子を待つ慣習があるらしい。僕のように最初から裸で待っている人間なんて今まで見たことないって。しかも折りたたんだパンツをチンポに乗っけている。それを見て女の子はお腹を押さえて膝から崩れ落ちてしまった。初めての風俗遊びだったので女の子にチンポを見せるのも恥ずかしく、かといって折りたたんだパンツをチンポにいつまでも乗っけているのも恥ずかしかったが、しばらくパンツをチンポに乗っけたまま女の子と談笑した。といっても、女の子はもう僕の顔を見ただけで笑ってしまう病にかかってしまったようで、会話になんてならない。女の子は気を取り直して積極的にサービスをしてくれようとしたが、キスをしても途中で噴き出してしまうし、フェラチオをしても僕と目を合わせただけで爆笑してしまう。女の子は笑い過ぎて涙が出てくる始末。結局一切エロイ雰囲気になることもなく、イクこととは程遠く、そのまま終了時間になってしまった。
『ごめんwごめんwwwほんとごめんwwww』と女の子は笑いながら謝るしかない。なんだか久しぶりに服を着て、最後に女の子が書いてくれた名刺を受け取って、お店を出た。
「今日はごめんね。会った時、寒そうな恰好しててびっくりしちゃったよ。今度来るときは暖かい恰好で待っててね♡」
というメッセージが名刺には書かれていた。後でホームページで見てみたらランキング2位の女の子だったようだ。可愛いかったしまた行こうかなぁ、と思ってたら、2か月後くらいにホームページから消えてしまった。
あの女の子、元気にしているかなぁ。初めてのピンサロでのあの恥辱感は忘れられないものになっているよ。